魑魅魍魎


闇夜に蠢く魑魅魍魎も
もとを正せば 人の心に巣食うもの

人の心の柔肌に
怒りと悲しみ喰らいつく

破れた心の柔肌を
恨みと憎しみ穢し抜く

穢れた心の柔肌を
妬みと嫉みが腐らせる

人の心は弱いもの

心に巣食う妖(あやかし)は
おぞまし過ぎて苦しくて

いくら涙を流そうと
声を限りに叫ぼうと
追い出すことなどできやせぬ

追い出すことができたとて
心を失うことになる
体はただの抜け殻に
胸の中は空洞に

ぽっかり空いた胸の穴
黒き血潮で満たされて

人は人でなくなるだろう
おぞましいと指さされ 化け物と罵られ

人の心は弱いもの

好きで堕ちる者はない
闇夜に潜む物の怪の
ひっそり寂しい息吹など

誰が気づいてやれるだろう
同じく堕ちた者だけが
互いに気づいてやれるだろう

傷の痛みに心の痛みに


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